
天板がたまご型のテーブルを製作しました。
開業にあたり、早期に当工房の雰囲気を代表するシンボリックな作品が作りたいと言う気持ちがあり、
・普段の生活の中で実用的に必要なものではないが、ふと愛でられるような家具
・当工房の標準材としてオークとビーチを使う
・北欧調とまでは言わないが、抜け感・軽快感重視
・木工技法的には普段よりチャレンジングな技法を使う
そのようなことを考えて選定し作りました。
50cm前後の小ぶりなサイズで、ソファの横に置いてコーヒーテーブルとしてお使い頂いたり、部屋の角に置いて植物などをディスプレイしていただけると良いかなと考えております。

北欧のアンティーク家具から着想を得てデザインしました。
北欧の家具は全般的に突板(内部は合板で表面に薄くスライスされた天然木を貼る)でできているものが多いです。日本ではベニヤ、合板と言うと無垢板に比べて地位が低い印象ですが、北欧では旧来からベニヤ技術が発達し、高級家具として認識されてきました。構造面では材料の内部に合板を使えるため、木材の湿度による伸縮を抑えることができ、反り・割れを気にしない精緻な構造を製作することができるとともに強度面でも有利なので材料を薄く細くして軽快なデザインにすることが可能になります。

今回は外観の軽快な印象はそのままに、突板やベニヤを使わずに総無垢で成立するデザインを工夫しました。天板や脚もできる限り薄く細くして意匠面の軽快さを狙っています。
たまご型ですが子供向けを意図したものではなく、甘くならないよう各所のディテールはシャープに構成し、すっきりめの仕上がりとしています。下段の棚板は、迷った末に結局三角形にしましたが、あまり荷物はたくさんは載せられない感じです。

今回はオーク材使いのものを紹介しています。
天板はオーク材を3枚矧ぎ(幅の狭い材料を3枚並べて隙間なく接着して1枚の天板をなす)。
つなぎ目の木目は連続的に遷移してぱっと見ではつなぎ目はわからず、特徴的な木目がキレイに出た一品です。
同じつくりでビーチ材使いのものもあり、後日紹介いたします。

天板は薄くしたうえで、下部を45°にカットしています。視覚的な軽さを演出するための処置で、北欧家具ではよく見るプロファイルです。
脚はまっすぐ垂直ではなく、四方転び(三角だから三方転びとでも言うべきか)で中心に向かって少し斜めに傾かせています。木工は四角いものを直角に組み合わせるのが基本ですが、少し傾かせただけで仕口(接合部)の加工は複雑になるし、各部の寸法も複雑な計算が必要になるのです。(私は計算が苦手なので、原寸で図を描いて寸法を取ります…。)
また、脚自体は微妙にテーパー(先に行くにつれ細くなる)をかけ、伸びやかな印象を出しました。

総無垢で懸念される反り・狂いを防ぐための構造を施しています。 天板には反り止め金具を取り付けましたが、作ってみたらたぶんこれはなくても良さそう(笑)。(構造上反りは抑えられる)なので次回は省略する予定です。
テーブルの3枚の幕板が集まる中心部は、3枚の板の端部を120°にカットして真ん中で突き合せ、主に意匠目的でチギリ(spline)を2枚入れて「変形spline miter joint」とでも言うべき手法で組んでいます。アクセントでチギリは色違いのウォルナットを挿入しました。
レッドオーク材、総無垢。
オイルフィニッシュ(独OSMOウッドワックス ノーマルクリア使用)、3分つや仕上げ。

ファーストロットのため、出来上がってみるとちょっとバランスの悪いところもありますが、全体的には我ながら非常にかわいく仕上がったと思います。
上述の「変形spline miter joint」が正直作るのが非常に難しいことがわかり、そのくせ思ったほど目に入らないようなので(笑)、商品の評判が良ければ設計を再検討の上で定番化したいと考えております。
そんなサイドテーブル(オーク、ビーチ)はオンラインストアでお求めいただけます。
サイズ違いや天板の形違い、樹種・色目違いなどのセミオーダーも承ります。
